賃貸マンションの放置自転車は勝手に処分NG?撤去ノウハウを現役大家が解説
こんにちは。2代目大家のジューニョです。
このサイトではアパートやマンションの賃貸経営を相続した大家さん向けに、満室経営のためのノウハウを発信しています。
賃貸マンション・アパート敷地内の放置自転車は勝手に処分していいの?
放置自転車撤去の方法が知りたい
自転車を放置されない対策が知りたいな
今回は実際に放置自転車問題を解決した現役大家の僕が、上記のような不安や疑問を解決しちゃいます。
- 本記事でお伝えしたいこと
- 賃貸マンションやアパートの放置自転車は勝手に処分するのは不法行為
- トラブル回避のための放置自転車の対応方法5ステップ
- 放置自転車を発生させない対策
- 自転車撤去費用を抑える方法
僕が大家業を継いだ時、全物件約40戸の入居率は90%以下でした。常に5戸前後は空室。
様々な空室対策の結果、満室を達成。年間通して入居率98%以上を維持しています。物件も増やして年間家賃収入は4,000万円から5,500万円に増やすことができました。
さて、今回は賃貸マンションやアパートの放置自転車問題。
大家をやっていると一度は経験するんじゃないでしょうか?
僕が経営しているのは東京の蒲田周辺のマンションなので対応頻度は数か月に1回のペース。なんせ蒲田駅前は盗難自転車全国1位ですから(笑)
放置自転車の処分はやり方を間違えると入居者からのクレームとなり、下手すると賠償問題にも発展します。
かと言って放置すると空室率が上がってしまう可能性も。
それでは、どうぞ!
・大手不動産ポータルサイトのwebプロデューサーを約12年
・不動産会社の代表取締役
・賃貸アパート・マンション・ビルの2代目大家
・年間家賃収入は約5,500万円
・宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士
賃貸マンションの放置自転車は勝手に処分したらダメです
所有する賃貸マンションやアパート敷地内の放置自転車問題。
我々大家としては避けて通れず、頭が痛い問題ですよね。
敷地内の放置自転車は以下のどれかが多いです。
- 転居した元入居者が置いていった
- 現入居者が自転車を買い替えたけど古い方を処分してない
- 第三者によって別の場所で盗まれて放置された
僕の経験からすると、退去が増える時期に放置自転車も増えるので、ほぼ元入居者が転居する時に置いていったパターンかなと思っています。
放置自転車が一つあると他の人も捨てる可能性が高くなりがち。「あ、捨てていいんだ」って思っちゃうんですね。いわゆる「割れ窓理論」というやつです。
ほっておくと自転車の墓場みたいになることもあります。
そうなってしまうと、物件の見た目や治安にも影響してきて空室率の増加にもつながる可能性もあるので、大家としては早急に何とかしたい問題ですね。
ですが、敷地内に放置されているからといって勝手に処分するのは絶対ダメです。
勝手に処分すると、器物損壊罪(刑法261条)に該当し3年以下の懲役又は30万円以下の罰金、の可能性があるし、さらに不法行為(民法709条)として、損害賠償となることも。
そこまでいかないとしても入居者の自転車を放置されたものとして捨ててしまい、入居者からクレームになり賠償した、なんて話を管理会社の担当者から聞いたこともあります。
そうしたトラブルにならないように、放置自転車を処分する場合は適切なステップを踏んで対応することが大切です。
キチンと対応するにはちょっと時間がかかるのですが、僕が実践している処分方法をご紹介します。
マンションの放置自転車処分方法5つのステップ
対応方法の解説の前に前提として。
僕は何度かマンション敷地内の放置自転車の処分をしていますが、管理会社が入っている場合は管理会社に依頼しちゃうのが一番手っ取り早いです。それで完了。
僕がそれをやらない理由は、相場より高い処分費を取られるから。まあ手間賃ですね。
あと、なるべく自分で調べて実践して勉強したいっていうのもあります。
ご自身で放置自転車への対応をする場合は、以下の5ステップをオススメします。
- 放置自転車かどうか確認する
- 撤去予告の張り紙を自転車および建物内の掲示板等に貼る
- 警察に「盗難届」が出ているか確認してもらう
- 敷地内の奥に移動させて再告知
- 撤去作業
ステップごとに説明していきます。
Step1 放置自転車かどうか確認する
経営しているマンションやアパートの敷地内にある自転車を放置自転車だと断定するのって何気に難しくないですか?
毎日見に行ける場合は気づきますが、中々そうもいかないですよね。
放置自転車の場合はだいたい以下の特徴があります。
- パンクやそもそも壊れていて乗れない
- サドルにホコリや汚れが溜まっている
- 鍵がかかっていない
- 防犯登録シールが貼ってない
- 長期間乗った形跡がない(駐輪位置が変わっていない)
上記に複数該当する場合は放置自転車の可能性が高いです。(絶対ではないですが)
Step2に進みましょう。
Step2 撤去予告の張り紙を自転車に貼る&入居者全員に告知する
まず、放置自転車と思われる自転車に撤去予告のタグを張り付けましょう。
紙に印刷して、雨風に耐えられるように、できればラミネート加工しておくのがベスト。
タグに記載する内容としては以下。
- 所有者の方が自転車を使用する際にタグを外してもらいたい旨
- 撤去期日、およびその期日にタグが貼ったままの自転車は撤去する旨
撤去する期日は1か月〜2ヶ月以上先にしましょう。短すぎると気づかない入居者がいて、後々トラブルになりますので。
さらに、共用部に掲示板があればそこで告知、かつ、ちょっと手間ですが、全戸の個別ポストに書面を投函しましょう。
掲示板は見ない人も少なくないので、個別ポストに投函すればより確実ですね。
入居者全員に告知が届いている、というのが重要です。
最後に必ず自転車へのタグや掲示板への告知を撮影しておきましょう。
勝手に剥がされて、なかったことにされた時のための証拠ですね。
Step3 警察に「盗難届け」が出ているか確認してもらう
撤去期日が来ても放置されている場合、所轄の警察署に盗難届けが出ていないか確認しましょう。
「敷地内に放置自転車があるので盗難届けが出ていないか確認してほしい」と言えば警察官が現場に見に来てくれます。
盗難届けが出ている自転車だったら警察が回収してくれて、そこで処分完了。
出ていない場合は警察では回収してくれません。
僕は担当していただいた警察官から「長めに期間を設定した上で入居者に告知をして大家さんの方で処分をしてください。くれぐれも慎重に」と言われました。警察官も下手なこと言えないですもんね。
ちなみに、防犯登録番号がある場合は警察なら所有者を調べることができますが、個人情報なので基本的には残念ながら教えてもらえません。
なので大家さんご自身で撤去対応が必要です。
Step4に進みましょう。
Step4 敷地内の別の場所に移動させて再告知
Step2で設定した撤去日になってもタグがついたままだったら、該当の自転車を敷地内の別の場所に移動させましょう。
移動させたことで、自分の自転車がない!と所有者が連絡してきても敷地内ならすぐ返却できますから。
移動後に、再度撤去期日を設定してタグと掲示板等で告知しましょう。期日は1〜2ヶ月以上先に設定しておくと良いと思います。
ここでも後々トラブルにならないために撤去のための順序を踏んでいる証拠として写真を撮影しておきましょう。
Step5 撤去作業
それでも所有者が現れなかったら、いよいよ撤去です。
回収業者さんを手配して回収してもらいましょう。
回収費用については、残念ながら大家さんの負担となります。
そうならないためにも放置自転車を発生させない対策も下で解説してますのでご覧ください。
最後に注意点
僕は上記で書いた5つステップを実践して、今のところトラブルになったことはないです。
ただ、実はこれだけ段階を踏んで対応しても合法的に処分していることにはならないんです。
100%トラブルにならない、というわけではないのでご注意ください。
マンションで放置自転車を発生させない対策
最初に書いた通り、放置自転車の多くは入居者が置いているパターンです。
なので、入居者に対するルールを作ればある程度は放置自転車の発生を抑えることができます。
具体的な対策としては以下の2つ。
- 区画登録制にする
- 自転車に登録シールを貼って管理する
それぞれ説明します。
区画登録制にする
駐輪場所を区画に分けて、駐輪場所を登録制にする方法です。
自転車ラックを利用したり、白線で区切って区画を作っているマンションもあります。
例えば、102号室の方は自転車ラックの002番に止めてください、みたいにルールを作る感じですね。
管理表を作って、入居時に駐輪場所を割り振りましょう。
同時に自転車に駐輪位置の番号を書いたシールを貼っておくのもおすすめ。
放置自転車の防止のほか、駐輪場が整理されるので、共用部全体の見た目が良くなり物件の印象が良くなるメリットもありますよ。
自転車に登録シールを貼る
もう一つは各自転車に駐輪許可の登録シールを貼る方法です。
台数が少なくてラックを用意するまでもない場合はこれだけでもやっておきましょう。
入居時に自転車の台数を申告してもらい、一台ずつ登録シールを貼ってもらいます。
登録シールは登録番号を予め記載したものを渡しましょう。
部屋番号を記載する場合もありますが、部屋が特定できてしまうのはトラブルにつながる可能性があるので避けた方がよいかと。
101号室の田中さんは登録番号001番、という風に、シールに記載した登録番号と部屋番号を把握できる表などを作って管理しましょう。
放置自転車処分の費用を抑える方法
アパートやマンション内の放置自転車の処分費用は大家負担。
できることなら費用は安く抑えたいですよね。
その場合は複数の業者さんから相見積もりを取りましょう。
金額の比較だけではなく、業者さんのサービス内容や人となりも比較できるので、より良い業者さんに出会える可能性が上がります。
そんな時に便利なのが「くらしのマーケット」というサービス。
一言で言ってしまうと、「暮らしに必要な作業をしてくれる業者さんをオンラインで探せるサービス」です。
くらしのマーケットを実際利用してみた体験談は「くらしのマーケットで草むしりを依頼してみた!【感想と見積りも公開】」で解説してますので参考まで。
この記事は草むしりを依頼した時の体験談ではありますが、脱・失敗!くらしのマーケットでの業者さん探しで気を付けるべき3点も書いてますので、自転車撤去の場合でも参考になるかと思います。
ちなみに自転車撤去は「不用品回収」のカテゴリに入ります。
ぜひ良い業者さんを見つけてくださいね!
まとめ
本記事では、以下の内容について解説しました。
- 賃貸マンションやアパートの放置自転車は勝手に処分するとトラブルになります
- 放置自転車の対応方法5ステップ
- 放置自転車を発生させない対策
- 自転車撤去費用を抑える方法
マンションやアパートでの放置自転車の処分は費用がかかるだけでなく、長い時間もかかりますし、何より下手するとトラブルにもつながってしまいます。
正直バカバカしいですよね。。
何より大切なのは、そもそも放置自転車を発生させないように対策することです。
共用部が荒れていると空室率の悪化にもつながりますので、満室経営のためにしっかり放置自転車対策をしておきましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
それではまた。
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