アパート経営は儲からない?失敗しない対策を3つ厳選!【現役大家解説】
アパート経営って儲からないって聞くけど本当?
儲からない原因が知りたいな
儲けるためにはどうすればいいの?
今回はアパート経営で毎年黒字を出している現役大家の僕が、上記のような不安や疑問を解決しちゃいます!
- 本記事のテーマ
- 本記事でお伝えしたいこと
- アパート経営が「儲かる・儲からない」は、手取り収入のプラス・マイナスで決まる
- アパート経営が儲からない原因は6つある
- アパート経営で儲かるためにやるべきことを3つに厳選
こんにちは。2代目大家のジューニョです。
2019年に祖父から大家業を継ぎ、賃貸経営しています。
2023年5月時点で家賃収入は年間5,500万円。継いでから約3年で年1,500万円程増やすことができました。
最終的な手取りは法人化してるので複雑ですが、ざっと年2,000万円弱です。
さて、アパート経営って儲からないんでしょ?という言葉をよく耳にします。
興味があっても中々挑戦できないという方も僕の周りには結構いらっしゃいます。
実は僕も大家業を継ぐ前は同じ考えでした。
そんな簡単に儲かるわけがないじゃないか、と。
でも実際大家業をやってみた結果、こう思います。
それは「思っていた通り簡単には儲からない」ということ。
世の中にある他の事業だって簡単には儲からないですよね?
アパート経営も事業ですから一緒です。勉強もせず、手も動かさず、努力もせずで儲かるわけがありません。
でも安心してください。儲かる方法はあります。
なんて言うと怪しい商売みたいになりますが、現に僕も含めて家賃収入だけで生活できている大家さんは一杯います。
というわけで、今回はアパート経営が儲からない原因と、じゃあどうすれば儲かるのか、について僕自身の体験を踏まえながら解説していこうと思います。
それでは、どうぞ!
・大手不動産ポータルサイトのwebプロデューサーを約12年
・不動産会社の代表取締役
・賃貸アパート・マンション・ビルの2代目大家
・年間家賃収入は約5,500万円
・宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士
アパート経営の「儲かる・儲からない」とは?
そもそもアパート経営が「儲かる・儲からない」ってどういうこと?
まずはアパート経営において「儲かる・儲からない」とは?を定義しておきましょう!
めっちゃ簡単に言ってしまうと、アパート経営の儲かる儲からないは「収入ー支出=手取り収入」で計算できます。
本記事ではこの「手取り収入」がある状態を「儲かってる」と定義します。
つまり毎月手元に残るお金がある状態ですね。
逆に「手取り収入」がマイナスになっている状態が「儲かってない」ってことですね。
では、アパート経営における具体的な収入と支出ってどんなものがあるでしょうか?
次で解説します。
アパート経営における収入の項目例
アパート経営の収入というと主な項目は以下になります。
収入項目 | 内容 |
---|---|
家賃 | 言わずもがな、家賃収入です |
共益費・管理費 | 家賃とは別に入居者からもらう共用部の維持費 |
礼金 | 入居契約時にもらうお金です |
更新料 | 入居の契約更新時にもらうお金。家賃1ヶ月分が一般的 |
その他 | 駐車場代、自販機売上など |
ちなみに敷金は、入居者退去の際に返還する前提なので収入には含まれません。
アパート経営における支出の項目例
続いて支出は以下の項目が挙げられます。
支出項目 | 内容 |
---|---|
ローン返済 | 金融機関への返済額。利息も含む |
管理委託料 | 管理会社に支払う手数料。家賃の3〜5%が一般的 |
保険料 | 火災保険、地震保険、孤独死保険など |
水道光熱費 | 水道代、電気代など |
修繕工事費用 | 退去時の原状回復工事費用など |
仲介手数料 | 成約時に支払う仲介手数料 |
広告料 | 入居募集時の広告料。一般的にAD(エーディー)なんて言われます |
大規模修繕費用 | 外壁や屋根などの大規模修繕費用 |
設備交換費用 | 浴室やキッチン、エアコンなどの設備交換費用 |
さらに、支出として忘れてはいけないのが税金です。
代表的なのが以下になります。
- 所得税
- 住民税
- 固定資産税
- 都市計画税
- 事業税
- 不動産取得税
- 登録免許税
- 法人税(法人の場合)
並べて書くと支出の項目はめっちゃありますね。
手取り収入がプラスなら「儲かっている」、マイナスなら「儲かっていない」
大事なところなので、もう一度アパート経営の「儲かる・儲からない」について解説しておきますね。
「収入ー支出=手取り収入」の計算式に当てはめて、
- 毎月の手取り収入がプラスの状態を「儲かっている」
- 毎月の手取り収入がマイナスの状態を「儲かっていない」
ということになります。
なるほど。支出よりも収入が多ければ「儲かってる」ってことね。
じゃあアパート経営が儲からないのはどういう原因があるのかな?
続いて僕が考える、アパート経営が儲からない原因について解説しますね。
アパート経営が儲からないのなぜ?現役大家が考える理由6つ
現役大家の僕が考える、アパート経営が儲からない原因を挙げてみます。それが以下の6つです。
- 長期的な満室維持が難しいから
- 家賃が下がり続けるから
- 多額のローン返済が負担になるから
- ターゲットやニーズを意識して土地・物件選びをしていないから
- 企業や大学、専門学校などに依存しているから
- 想定外のメンテナンスコストが掛かるから
一つずつ見ていきましょう。
長期的な満室維持が難しいから
僕は2023年5月時点で42戸の賃貸経営をしていますが、約半年ほど満室状態が続いています。
でも大家業を継いでから3年間はずっと数戸は空室状態でした。入退去はタイミングもありますから1戸埋めても別の部屋が退去、みたいな感じ。
費用がかかることも無料でできることも出来ることは全てやった結果、やっと満室になりました。
何もやってなかったら、どんどん空室が増えていたかもしれません。
東京都の空室率は10%前後を推移
コロナ禍で転勤が減ったり在宅ワークが増えたりで転居が減った結果、空室率が下がったようですが、ここ数年東京都の賃貸住宅空室率は約10%前後で推移しています。
ということは10戸に1戸は空室ということですね。
賃貸アパートやマンションは築年数がたつにつれて空室率が上がる傾向にあるので埋めるのが難しくなります。
入居者からしたら、同じ家賃なら新しい物件の方がいいですもんね。
アパート経営を長く続ければ続けるほど、空室が埋まらなくなり、その結果家賃収入が減っていく、ということです。
家賃が下がり続けるから
上でも書きましたが、築年数がたつと空室を埋めるのが難しくなります。
その結果、家賃を下げてでも空室を埋めることに。
家賃を下げる前に色々と出来ることあるでしょ、と思うのですが、家賃を下げて空室が埋まるなら手っ取り早いからいいか、となってしまう大家さんが多いということですね。
残念ながら、これがアパート経営が儲からなくなる第一歩です。
家賃を下げてしまうと次から上げづらくなってしまうので、空室対策で家賃を下げることは最終手段にしましょう。
多額のローン返済が負担になるから
アパート購入やアパート建築する際に、全額キャッシュで、という方はあんまりいないので、基本は金融機関から借り入れすることになります。
僕の感覚的には、毎月のローン返済額が満室時の家賃収入の50%を超える場合は、手を出さない方がいいかなと思います。
ローン金利が上昇したり、空室が続いてしまったり、突発的な修繕費が発生したりと、想定外のことが起きた時に赤字になる可能性が高いからです。
ターゲットやニーズを意識して土地・物件選びをしていないから
「アパート経営は「土地あり」が有利?【実際2棟建てた大家が解説】」でも書きましたが、必ずしも「土地あり」でアパートを建てるのが有利ではないです。
なぜなら、その土地に賃貸ニーズがあるとは限らないから。
「土地を相続したからアパート建てよう!」などと何も考えずに進めてしまうと失敗しますよ。中古アパートを購入する時も同様ですね。
ターゲットとする入居者像を想像し、ニーズの調査をした上で土地や物件を選ばないと、空室だらけになってからではどうしようもなくなっちゃいますよ。
賃貸ニーズの少ない土地やアパートを相続しちゃってる場合は、駐車場やトランクルーム経営、売却を検討するのもアリです。この辺は別記事で解説予定です。
企業や大学、専門学校などに依存しているから
大手の企業の社員向けや、大学などがあるエリアは一般的に賃貸需要が多いです。大学や専門学校なんかは定期的に学生が入れ替わりますから、入居者確保に困らないことも多いですね。
ただし、その企業や学校がずっとそこにあれば、の話です。
移転します、となった瞬間に賃貸需要は激減しちゃいます。
さらにコロナ禍でも在宅ワークや授業のオンライン化などで、わざわざ会社や学校の近くに住む必要が無くなりましたよね。
何が起こるか分からない時代ですし、何かに依存していると失敗する可能性が高くなります。
想定外のメンテナンスコストが掛かるから
上で書いた「アパート経営における支出の項目例」にある通り、アパート経営は結構メンテナンス費用がかかります。
毎月発生するものなら予測できるのですが、これが想定外に発生するんですよね。。
僕も最近発生したものだと以下がありました。
- 一戸建て賃貸のねずみ駆除 20万円
- ビルの水道管修理 100万円
- トコジラミ駆除 30万円
結構な出費ですよね。
特に築年数がたっている建物だとメンテナンスコストがかさみます。
以上6つが、僕が考えるアパート経営が儲からない原因です。
共通するのは「アパート経営に対する知識不足」ですね。
次に僕が考える「アパート経営で儲かるためにやるべきこと」にうついて解説しますので、イチ大家の意見として参考にしてみてください。
アパート経営で儲かるためにやるべきこと3選
アパート経営が儲からない原因は分かったけど、逆にどうやったら儲けることができるの?
僕が考える、アパート経営で儲かるためにやるべきことを3つお伝えしますね。
アパート経営で儲けるためにやるべきことはものすごくたくさんあります。でも一気に全部やるのは無理ですし、やることが多すぎるとモチベーションが続かないですよね。
というわけで、僕の経験上これだけはやっておくべきだと思うことを厳選してお伝えしようと思います。
それが以下の3つ。
- 誰に住んでもらいたいかを考えること
- 良いパートナー(協力会社)を見つけること
- 常に情報収集を怠らないこと
一つずつ見ていきます。
誰に住んでもらいたいかを考えること
僕はこれが一番重要だと思ってます。
ビジネス的に言うとマーケティングリサーチ、ターゲット設定、ペルソナとか色々ありますが、難しく考える必要はないです。
簡単にいえば、「どういう人たちに、どのぐらいの家賃で、どういう風に暮らしてもらいたいか」を考えましょう、ってこと。
なぜか?
これを最初に考えることで、他物件との差別化ができ、アパート経営が儲かる可能性が格段に上がるからです。
たとえば、学生街や若い人が多く住んでいるエリアに3LDKのファミリータイプのアパートを建てても入居者はつきにくいですよね。周りのアパートが単身者向けばっかりで供給過多のエリアに同じタイプのアパートを建てても、やっぱり満室にはなりづらいでしょう。
普段僕らが利用している商品やサービスもマーケティングをして商品を作り、提供しています。
アパート経営もそれと同じですね。
ただし、住んでもらいたい人物像を根拠もなく想像してしまうと失敗しますので、アパートがある(もしくは建てる)エリアにどういう賃貸ニーズがあるのか、をまず調査してからにしましょう。
住んでもらいたい人物像をイメージしよう
具体的なやり方は長くなってしまうので別記事で書こうと思いますが、僕が実際に作った「住んでもらいたい人物像」だけ公開します。
物件は東京23区 JR駅から徒歩10分の2DK、家賃は12万円です。
- 夫婦の二人暮らし
- 現在は1LDK賃貸に住んでいる
- 夫(30歳)はIT企業の営業職で年収は600万円。基本在宅ワーク。勤務時間はフレックス
- 妻(28歳)は営業事務で年収は400万円で勤務地は品川駅。勤務時間は9時から6時のフルタイム
- そろそろ子どもが欲しいと思っている
- 子どもが出来たら妻は時短で働く予定
- 夫は家に仕事スペースが欲しい
- 夫は映画鑑賞、妻は料理が趣味
- 住まいに関してあまり贅沢はせず将来のための貯金を優先している
- 夕食作りは在宅勤務の夫が担当
- 休日は2人で映画を見に行ったり、一緒に料理をしたりすることが多い
どうでしょう?どういう方がターゲットになるかイメージつきますか?
何となく、ベビーカーでスムーズに部屋まで行けるように段差は減らそうか、とか、子どもができても在宅ワークに集中できるように仕事スペースがあった方がいいな、なんてことが想像できますよね。
実はこれはリフォームした部屋の募集用にバーチャルホームステージング写真を作成した時に作ったものですが、募集開始してすぐに入居が決まりました。
良いパートナー(協力会社)を見つけること
二つ目は、良いパートナーとなる協力会社を見つけること、です。
アパート経営は結構孤独。分からないことも多いし悩むこともしょっちゅう。
そんな時に、すぐ相談したり仕事を依頼できたりする協力会社がいると非常に心強いです。
僕も継いだ直後は自主管理をしていましたが、当然経験もないですし分からないことだらけ。
先代の時に繋がりがあった管理会社の方に助けていただきながら、何とか頑張ることができました。
その方はいなければ今の僕はなかったと思います。感謝。もちろん今でも管理会社としてお願いしています。
ぜひ見つけるべき信頼できる協力会社3選
僕の経験上、信頼できる協力会社で見つけておいた方がいいのは以下の3つ。
- 賃貸管理会社
- 原状回復工事会社
- 建築会社
特にアパート経営する上では賃貸管理会社と原状回復工事会社は必須ですね。
自主管理の場合や、工事も全てDIYするなら不要ですが、プロに任せた方が質もスピードも違いますので、結果的には大家さんが自分でやるよりも効率的だと思います。(僕も最初は自主管理してましたが忙しすぎて管理会社入れました)
アパートやマンションを新築する予定があるなら建築会社も必須です。
僕も新築の賃貸マンションを2棟建てましたが、正直営業担当が優秀かどうかで賃貸経営の成功率も変わります。
原状回復工事会社や建築会社の選び方は長くなっちゃうので別記事で書く予定ですが、僕が信頼してお願いしている会社を記載しておきますので参考まで。
常に情報収集を怠らないこと
3つ目は、常に情報収集を怠らないこと。
アパート経営がすぐに儲かると思っていたり、何もせずに管理会社に任せてればいいんでしょ、なんて考えて勉強もしないままアパート経営を始めると、まあ失敗します。
アパート経営は事業ですから、大家さんは経営者です。会社なら社長ですね。
社長が自分の会社の命運を他人に任せますか?ってことです。
もちろんアパート経営を始めたあとも常に情報収集と勉強を欠かさないようにしましょう。
僕のようなアパート経営や不動産投資について情報発信をしている大家さんのブログを見たり、全国の大家さんたちが集まる大家の会に参加してみたり、書籍を読み漁ってみたり。
色々と情報収集するための手段はあります。
ただ、変なセミナーに参加したり、ワンルームマンション投資には手を出さないようにしましょうね。失敗します。
まとめ
本記事では、以下の内容について解説しました。
- アパート経営が「儲かる・儲からない」は、手取り収入のプラス・マイナスで決まる
- アパート経営が儲からない原因は6つある
- アパート経営で儲かるためにやるべきことを3つに厳選
最初にも書きましたが、アパート経営で儲けるには一筋縄ではいきません。
お金だけでなく、時間も、精神力も必要です。
でも、日々勉強して情報収集する姿勢を忘れなければなんとかなります。
なぜなら、知識ほぼゼロの僕がアパート経営相続後から3年で家賃収入を1.5倍にできましたから。
これを読んでいただいている皆さんも毎日勉強です。
一緒に成長していきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ではまた。
こちらの関連記事もオススメ