生活保護者の死亡、アパート退去費用は大家負担?【回避するコツ紹介】
こんにちは。2代目大家のジューニョです。
このサイトではアパートやマンションの賃貸経営を相続した大家さん向けに、満室経営のためのノウハウを発信しています。
入居中の生活保護受給者が死亡した時の遺品整理や退去費用は大家が負担?
残置物処分費や退去費用はどのぐらいかかるの?
費用負担しないようにするための対策が知りたいな
今回は、生活保護受給者専門のアパートを経営していた現役大家の僕が上記のような不安や疑問を解決しちゃいます!
- 本記事でお伝えしたいこと
僕が大家業を継いだ時、全物件約40戸の入居率は90%以下でした。常に5戸前後は空室。
様々な空室対策の結果、満室を達成。年間通して入居率98%以上を維持しています。物件も増やして年間家賃収入は4,000万円から5,500万円に増やすことができました。
さて、アパート経営している我々大家としては入居者の孤独死問題は気になるところですよね。
孤独死して数週間発見されなかった、なんてことになると特殊清掃、残置物撤去、事故物件による家賃値下げや長期空室のリスクが発生します。金額にして数百万円の損失が出ることも。
特に生活保護受給者の場合は大家が費用負担する可能性が高くなるので注意が必要です。
僕も2022年末まで生活保護受給者向けのアパートを経営してました。孤独死はなかったので亡くなった場合の対応は経験していないんですが、いざ発生した時のために調べていたことを共有しようと思います。
それではどうぞ!
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生活保護受給者が死亡したらアパート退去費用は大家負担の可能性アリ
そんな、まさか?生活保護受給者だから役所が払ってくれるんじゃないの?って思いますよね?
では、誰が払うのか?
以下の順番で払う義務が移っていくんですね。
もうちょっと詳しく見ていきます。
1番目 親族≒連帯保証人
賃貸借契約を結ぶ時に連帯保証人をつけるケースがあると思います。
たいていは入居者の親や兄弟などで一定の収入がある親族が連帯保証人になることが多いです。
たまに親しい友人など。
入居者が死亡した場合は、まず親族≒連帯保証人に請求がいきます。(連帯保証人が親族以外の場合はまず親族に請求)
これは入居者が生活保護受給者に関わらずそうなります。
ただ、入居者が生活保護受給者の場合は問題があるんです。
何かというと、生活保護を受給できる条件の一つに「親族等で支援してくれる人がいないこと」があるので、連帯保証人になってくれた親族自身も、自分の生活だけでいっぱいいっぱいになっているかも、ということ。
(ちなみに自身が生活保護受給者の場合は連帯保証人にはなれません)
2番目 法定相続人
親族や親族以外の連帯保証人が支払えない場合は、順番的に次の法定相続人に請求がいきます。
法定相続人は、亡くなった人の相続財産を受け取る法的な資格がある人のこと。
プラスの財産だけ相続できるならいいのですが、同時にマイナスの財産も相続しなくてはいけません。
※相続放棄した場合は別です
ということは、亡くなった後の未払い家賃や原状回復費用などの退去費用も相続し、支払う義務が発生しちゃうんですね。
また、マイナスの財産しかなかった場合相続放棄する可能性もあり、同じく支払ってもらえなくなります。
3番目 大家
親族や連帯保証人、法定相続人も退去費用を支払えないとなると、残るは物件の所有者である我々大家が支払うしかありません。
といっても、もちろん法的に支払う義務があるわけではないですよ。
ただ、空室のままにしておくわけにもいかないですから、次の募集を開始するには後始末や原状回復工事をしなければいけません。
では、金額的にはどのぐらいの費用を負担することになるんでしょう?
次で解説します。
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生活保護受給者が死亡した場合のアパート退去費用相場
生活保護受給者が死亡した場合に、我々大家が負担する可能性がある退去費用の項目内訳は主に以下。
日本少額短期保険協会が2022年11月に発表している「第7回孤独死現状レポート」を基に、それぞれ平均的な金額を解説していきます。
1.残置物処分費(家財やゴミの処分など)
生活保護受給者は一人暮らしの高齢者の割合が高いので、孤独死のケースも少なくありません。
孤独死だった場合、遺品やゴミが残されていることが多いのでそれらを処分しなくちゃいけなくなります。
自分で片づけられる量なら良いのですが、僕の経験上、生活保護受給者の方はなぜか荷物が多く、部屋の使い方も雑な確率が高いです。
そうなると清掃業者などに依頼する必要が出てきます。
2.原状回復費(特殊清掃、壁紙の張り替え・床の修復など)
空室のままにしておくわけにはいかないですから、次の募集のために原状回復工事をする必要もあります。
生活保護受給者の孤独死の場合は、亡くなってから数週間後に発見されることがあります。
(たいていは臭いや虫の発生などで近隣入居者から連絡がくることが多いみたいです・・・)
発見までに時間がかかると、ご遺体の腐敗が進んで壁や床に腐敗臭や体液などが染みついているので、特殊清掃専門の業者さんに依頼することになります。
3.未払い家賃や空室による損失
生活保護受給者が亡くなってから残置物処分などの後処理が完了し、賃貸借契約が解約になるまでの間は家賃が発生しています。
大家による費用負担というよりは、その分の家賃が入ってこない、ということですね。
さらに、入居者の死亡によって次の入居者がなかなか決まらない、なんてこともあります。
退去費用の大家負担額合計は約90万円
いかがでしょうか?
残置物処分費、原状回復費、未払い家賃や空室による損失の平均を合計すると約90万円になります。
生活保護受給者の部屋の場合は月額家賃5~6万円台が多いですから、家賃1年半程度の売上が吹っ飛ぶわけです。
これは指をくわえて見ているわけにはいかないですよね。
次で解説します。
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アパート退去費用の大家負担リスクを回避ための対策3選
続いては、生活保護受給者や高齢者が亡くなった場合の費用負担リスクを下げる対策を紹介します。
費用負担リスクを下げる対策としては以下の3つ。
詳しく説明します。
1.残置物処分や特殊清掃業者を探しておく
孤独死が発生してしまった場合、警察やご遺族に連絡することはもちろんなのですが、大家さんとしては次の入居者を募集する準備をしなければいけません。
残置物の処分費用を少しでも抑えたいなら、複数の清掃業者から見積りを取て比較しましょう。
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2.孤独死保険に入る
孤独死保険とは?
孤独死保険は、入居者が孤独死してしまった結果、大家さんが負担する原状回復費用や家賃損失を補填してくれる保険です。
大家が費用負担して加入する「家主型」と入居者が加入する「入居者型」の2種類があります。
サービスによって異なりますが、家主型の場合はおおむね以下の内容が補償される内容です。
- 原状回復費用
- 家賃損失額
- 遺品整理費用
先ほど解説した大家が負担する可能性のある費用はだいたいカバーしてますね。
しかも、家主型の場合はどのサービスも1部屋あたり月額数百円で加入することが可能なので、家賃が安いアパートでも対策することができますよ。
おすすめの孤独死保険3選
おすすめの家主型孤独死保険は以下。
公式サイトにリンクしていますので、未加入の大家さんはぜひ検討してみてください!
3.見守りサービスを導入する
見守りサービスとは?
孤独死の場合、発見が遅くなればなるほど特殊清掃などの費用がかかるし、事故物件となり次の募集の際に告知義務が発生します。
なので、なるべく早く発見することが費用負担リスクの軽減につながります。
そもそも入居者さんに何かあった時に早めに気づくことが出来れば、助けることができますから入居者さんやご家族にも喜ばれますよね。
入居者さんに異変があった際に早く発見するために有効なのが最近増えてきている「見守りサービス」です。
見守りサービスは色々な会社が提供してますが「訪問型」「センサー型」「カメラ型」「電話対話型」「通報型」など種類がたくさんあります。
賃貸住宅にオススメなのは「センサー型」
賃貸住宅での導入の場合、特におすすめなのが「センサー型」。
例えば、毎日使用するトイレのドアや冷蔵庫にセンサーを設置し、一定期間作動しなければ入居者に異変があったと判断して管理者に通知がいく、なんていう機能があります。
賃貸住宅でおすすめな理由は以下。
- トイレのドアや冷蔵庫に開け閉めセンサーを設置するだけなので導入が簡単
- 入居者が機器を操作する必要がない
- 送信されるのはセンサーの情報だけなので入居者のプライバシーが守られる
- 他に比べて安価(1戸あたり月々2,000円程度~)で導入が可能
おすすめのセンサー型見守りサービス
まとめ
本記事では、以下の内容について解説しました。
- 生活保護受給者がアパートで死亡した場合の退去費用は大家負担の可能性アリ
- 大家が負担するかもしれない退去費用は平均90万円!?
- 大家の費用負担リスクを下げる方法
生活保護受給者の世帯数は令和4年時点で164万世帯。平成27年をピークに減少しているものの、その内の約56%が高齢者世帯で、年々増加しているのが現状です。
日本は超高齢化社会ですから、今後も生活保護受給者も高齢者の割合が増えていき、それに伴って孤独死の数も増加していくでしょう。
賃貸経営をしている我々大家としては暗い話ではありますが、保険への加入など事前に対策を打っておけば問題はないはず。
情報収集を怠らず、常に工夫をして満室経営を続けていきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ではまた。
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