ペット可は空室対策になる?【結論:なります。でも運営にはコツが必要です】

ペット可は空室対策になる?【結論:なります。でも運営にはコツが必要です】
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こんにちは。2代目大家のジューニョです。

このサイトではアパートやマンションの賃貸経営を相続した大家さん向けに、満室経営のためのノウハウを発信しています。

初心者大家さん

賃貸物件をペット可にするのって空室対策になるのかな?
ペット可にするデメリットも知りたいな。
うまく運営するコツも知りたい。

二代目大家ジューニョ

今回はこのような不安や疑問を解決しちゃいます!

  • 本記事でお伝えしたいこと
  • ペット可への変更による空室対策効果3つ
  • ペット可への変更によるデメリットや気を付ける点3つ
  • デメリットを解決するためのペット可物件運営のコツ5つ

僕が大家業を継いだ時、全物件約40戸の入居率は90%以下でした。常に5戸前後は空室。
様々な空室対策の結果、満室を達成。年間通して入居率98%以上を維持しています。物件も増やして年間家賃収入は4,000万円から5,500万円に増やすことができました。

先日、所有物件の入居者の方から「ペット(犬)を飼いたい」と相談がありました。
その物件は戸建てで他の入居者に迷惑がかかることがなかったのでOKを出しました。(礼金として1か月分いただきました)

戸建てじゃなくて、他に入居者がいるアパートやマンションだった場合はどう対応するんだろうと思い、ペット不可から可に変更するメリットやデメリット、トラブルなく上手に管理していく方法、などを調査してまとめてみました。

結論、ペット可への変更は空室対策として効果がありますが、気を付けるべきこともあります。
空室対策でペット可にすることを検討している大家の皆さんの参考になれば幸いです。

それではどうぞ!

二代目大家ジューニョのプロフィール

・大手不動産ポータルサイトのwebプロデューサーを約12年
・不動産会社の代表取締役
・賃貸アパート・マンション・ビルの2代目大家
・年間家賃収入は約5,500万円
・宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士

目次

ペット可への変更は空室対策に効果ある?結論、あります。

ペット可への変更は空室対策に効果ある?結論、あります。

ペット可の賃貸アパート・マンションは供給不足

一般社団法人ペットフード協会の調査によると、2022年度の犬・猫の飼育世帯数は約1,066万5,000世帯。日本の全世帯数が約5600万ですから、およそ5世帯に1世帯が犬・猫を飼っている計算になりますね。
(参考:一般社団法人ペットフード協会

それに対して、ペット可の賃貸物件の数は圧倒的に数が足りません。

大手不動産ポータルサイトのLIFULL HOME’Sに掲載されているペット相談可賃貸マンション・アパートの件数を調べたところ、全国520万件の募集のうち、ペット相談可は約83万件。(2023年2月時点)

全国の賃貸物件の中で約16%の物件しかペットが飼えないということです。

こうした供給不足は、裏を返せば物件周辺に競合が少ないということになります。ペット可=差別化ポイントとなり賃貸経営における空室対策として十分効果が見込めるというわけ。

具体的には以下の3つの空室対策効果があります。

効果①契約率が上がる

上記で書いたように、ペット可物件の供給数が少なく競合物件が少ないため、築古だったり、駅からのアクセスが多少悪かったりしても契約してくれる可能性が高くなります。

効果②家賃が多少高くても決まる

これも同じく、競合物件が少なく他に選択肢がないため家賃が少し高くても入居する可能性が高くなります。

効果③入居期間が長くなる

これも同様ですね。ペット可物件が少なく他に移りづらくなるので長期入居になりやすいです。
また、他の入居者もペットを飼っている場合、住民同士のペット好きコミュニティが形成され住みやすくなって長く住んでもらえることも。

ペット可にするデメリット

ペット可にするデメリットと注意点

メリットはありますが、当然デメリットもあります。
ここが需要があるのに全国の大家さんや管理会社がペット可に踏み込めない理由でしょう。

一つづつ解説します。

デメリット①退去時の原状回復費用が高くなる

ペットを飼っていると、傷・汚れ・においなどがつきやすくなります。
においが床やクロスにしみついてしまって全面張替え、なんてケースもあるようです。

もちろん傷や汚れの度合いによりますが、家賃の2~3か月分の原状回復費用がかかるといわれています。

ただし、ペット飼育による部屋の傷や汚れは「入居者の故意・過失」として扱われますので、この場合の原状回復費用は入居者に請求することができます。

それなら問題ないじゃないか、と思いきや退去時のトラブルで一番多いのが原状回復費用の負担割合。
入居者から「払いたくない」と言われトラブルになるケースが多いです。

※原状回復費用トラブルの回避方法については「賃貸の退去立会い代行サービスでトラブルを回避する方法【おすすめの会社も紹介】」でも紹介しています

デメリット②既存入居者からのクレームが発生する

もともとペット不可の物件をペット可に変更する場合、既に住んでいる方はペット不可を前提に入居しているはずです。アレルギーがある方もいらっしゃいますので、健康に影響するようなことがあったら大事です。

デメリット③ペット不可に戻しづらい

ペット不可→ペット可にするのと同様、可→不可に戻すのも中々大変です。
理由は単純で、既にペットを飼っている入居者がいるから。

他の入居者からの同意も取ったし、契約書に飼育ルールも記載したから大丈夫!と思ってペット可にしたら、近隣の住人からクレームがくることも。(僕のペット可物件では、鳴き声がうるさいと道路向かいにお住まいの方のより保健所が確認にきたことがあります)

ペット可物件運営でトラブル回避するためのコツ5選

ペット可物件運営でトラブル回避するためのコツ5選

ペット可にすることでトラブルにならないための運営のコツ5選を紹介します。
必ず契約書等の書面に明記して説明することが重要です。※管理会社や仲介会社を通す場合は事前に伝えましょう

①金銭面での条件を設定する

高くなってしまう原状回復費用の負担リスクを避けるために、入居の契約時に以下の条件を追加しましょう。

  • 礼金か敷金を多めにもらう(+1~2か月分など)
  • その上で敷金償却にする(=退去時に敷金の一部もしくは全額を返しませんよ、という特約)

こうしておけば、退去時に原状回復費用の負担割合で揉める可能性が低くなります。
繰り返しになりますが、契約書に記載した上で、必ず入居者に説明して捺印をもらいましょう。「聞いてないから払いません」というトラブル防止のため。

もしくは礼金敷金ではなく、家賃をアップする方法もあります。月3,000円アップなら年間36,000円、5年で180,000円です。
上で書いた通り、ペット飼育の入居者は物件自体が少ないため長く住んでもらえる傾向があります。ファミリーだとなおさら長期入居の可能性があるので、入居者次第では家賃を上げる方が利益になるかもです。

②飼育可能なペットの規定を設定する

ペット、というと何を想像しますか?

普通は犬や猫だと思いますが人によって認識が異なります。犬でも小型と大型だともはや全く違いますしね。

動物によっては部屋の汚損度合や、近隣への迷惑度合が大きく変わりますので、飼ってよい種類や大きさ、頭数などを細かく設定してしまうのがベストです。

③飼育ルールや飼育条件を明確にする

飼育のルールや飼育条件も明確にして入居者に伝えましょう。具体的には以下。

  • 入居時にペットの種類や大きさ、頭数、写真を添付してもらう
  • 途中で頭数追加の際は必ず申請
  • ベランダや共用部でのルール(抱っこする、おしっこさせない等)
  • 騒音や臭いなどのルール
  • その他禁止行為

上記のような内容で、賃貸借契約書とは別でペット飼育用の覚書を用意することが多いですが、守れなかった場合はペットを手放してもらうか退去してもらう、損害を与えた場合は損害賠償請求、といった内容が盛り込まれます。

④原状回復費用の条件を詳細に設定する

ペットを飼育していると傷や汚れによって退去時の原状回復費用が高くなるのは上でも書いた通りですが、この費用の負担割合(どこまでが大家でどこまでが借主負担なのか)に関しては、賃貸経営の中でもダントツに多く発生するトラブルの一つです。

これはもう契約書に具体的に細かく明記するしかないですね。
敷金や礼金、敷金償却を条件として入れている場合は、ペットの通常飼育によるある程度の損耗分は含まれていると考えることができるので、通常飼育以上の傷や汚れ、ニオイに関する負担分の説明を記載するイメージです。

管理会社や仲介会社がいる方は契約書のフォーマットがあるはずなので相談してみるのが良いかと。

⑤既存入居者から同意書をもらう

ペット可にする前に、必ず既存入居者全員に説明し、書面にて承諾書や同意書をもらいましょう。反対する入居者が1組でもいた場合はペット可は一旦諦めた方が無難です。無理に進めるのは絶対にやめましょう。(反対する方の退去後に再検討です)

まとめ

今回は、ペット可にすることでの空室対策へのメリットやデメリット、ペットトラブルの回避のコツをご紹介しました。

ペット可はデメリットも多いので、多くの大家さんや管理会社が積極的ではありません。しかし、裏を返せば競合物件が少ない=チャンスがある、ということですので、運営のコツを学んで挑戦してみるものいいのではないかと思います。

ただし、長期間空室になっている原因として募集方法が間違っていることが多いです。管理会社に任せていて蓋をあけてみたらどの不動産ポータルサイトにも掲載されてなかった、なんてよくある話。
ペット可にする前に、まずは募集方法の見直しをおすすめします。

※空室対策に関しては、「空室対策アイデアまとめ。現役の満室大家が公式を使って解説【簡単です】」で紹介しています

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この記事を書いた人

ジューニョのアバター ジューニョ 代表取締役

大手不動産ポータルサイトで12年webプロデューサーとして、新築分譲マンションと注文住宅領域のサイト運営に携わる。
現在は不動産会社の代表取締役を務めるとともに、賃貸アパート・マンション・ビルの2代目大家をしながらwebサービス開発を行っている。
2020年に自宅として二世帯の注文住宅を建築。
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士。

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